経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える
「経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える」のレビュー・感想

【水槽を揺すってナマズを暴れさせても地震は起きない】
GDP統計(国民所得)の3面等価の説明が良かったので、
経常収支と財政収支、資本収支の関係をすんなり呑みこむことができました。
誤)貯蓄以上に投資を行っている(p156 6行目)
正)投資以上に貯蓄を行っている
「中学や高校の教科書にすら載っている、
オイルショックが原因で、高度成長は終焉を告げた(p52−53)」という誤解や、
木村剛著『キャピタル・フライト』の誤解(p160)も納得できました。
政策面での不況レジーム(p204〜)に至る一連...

【ロジカルシンキング、経済学、双方において物足りない】
第一章において、論理的思考がどのようなものかを説き、
第二章において、経済学の基本的に前提について述べ、
第三章において、経済学の基本的理論、概念について説明し、
第四章において、90年以降の「失われた10年」について論証している。
が、そのそれぞれが中途半端であるように思われる。
第一章の論理的思考については、
定評のあるロジカルシンキングの本を非常に薄めたような内容であり、
第二章、第三章、第四章は駆け足であり、初学者にとってはわかりづらく、
...

【過大評価されていると思う】
他のレビュワーの方も指摘されていることですが、説明が簡潔化されすぎて逆に論理の繋がりが見えにくい部分が散見されます(特に3章)。著者の中ではあまりにも当たり前な事であるが故に、初学者がそれを理解できるかどうかについての配慮が甘いのではないでしょうか。それは著者の努力不足というよりも、むしろ編集者の側の問題なのかもしれませんが。
個人的には、初学者が本書で経済学のエッセンスをつかむのは困難で、いわゆる教科書で一通り基礎を学んだ人が「戻ってくる」ための本ではないかと思います。現在は、翻...

【GDP成長無き企業繁栄とは?】
『経済学思考』のテキストとして、デフレに陥った現在の日本経済を題材にその実践例を示す試みは、意欲的でとても良いです。しっかりした構成で書かれており、『デフレ期待の自己実現』による大停滞論にもかなりの説得力があります。ただ説明がデフォルメされすぎて論理のつながりが見えにくい箇所が複数あり、キャピタルフライト不況論の否定はストックとフローの混同?のようにも思えました。
ところでGDPの三面等価を分配面でみると、GDP≡雇用者所得(労働者の取り分)+営業余剰(資本家の取り分)とのこと。こ...
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